
最近、Google検索すると、検索結果の一番上に「AIによる概要」というのがドヤ顔で表示されますよね。難しいことでもホイホイ答えてくれるし、悩みにだってアドバイスをくれる。便利な世の中になったものです。しかし…マッチングアプリや出会い系サイト関連の検索をした時のAI回答は、9割方信用しない方がいい…というお話です。
【1】AIは物知りだが「又聞きの王者」
最近、ChatGPTをはじめとするAIが身近になり「一番会えるマッチングアプリは?」「○○にサクラはいますか?」などと質問する人が増えています。そうして得た回答を「AI様が言ってるんだから確実でしょ♪」なんて鵜呑みにしていると、出会えるどころか貴重な時間とお金をドブに捨てることになります。
なぜAIの回答が危険なのかというと、AIは「又聞きの王者」だからです。もっと言えば「出会い系関連の記事は1万以上読んでるけど、実際には使ったことがない」という存在なのです。知識の量はすごい。でも肝心なところがズレている。そしてズレていることに、AI自身は気づいていない。これが現状です。
【2】そもそもなぜAIは間違えるのか?
AI(Google AI Overview含む)は基本的に「ネット上に書かれている情報」を集めて、それっぽく要約して出しているだけです。つまり、
・その分野で一番詳しい専門家の意見も
・アフィリエイト目的で作ったブログの煽り文句も
・3年前に更新が止まったブログの古い情報も
全て「同じネット上の文字情報」として、フラットに扱ってしまうんです。例えるなら、街の噂話をひたすら集めて「では総合すると、こういうことですね」と、まとめる係のようなもの。その噂話の出どころが「業界歴20年のプロ」なのか「テキトーにつぶやいた大学生」なのか、AIはあまり区別してくれません。だから間違えます。
さらに厄介なのが、この業界はアフィリエイト報酬が絡む「稼げるジャンル」だということ。ランキングサイトの多くは「このアプリがオススメだから」ではなく「このアプリの紹介料が高いから」という理由で上位にランクインさせています。AIは、この手のセールトークも大量に学習・参照しているため、これが誤回答を招く要因のひとつにもなっています。
【3】業界の早さと多様性についていけない
この業界特有のスピードと多様性にAIがついていけないという問題も大きく関与しています。具体的には、以下のような事柄が挙げられます。
・サービス名が頻繁に変わる
・料金プランが頻繁に変わる
・キャンペーン内容が季節によって違う
・男性・女性で機能が大幅に異なる
・女性は完全無料だが男性は有料
・年齢・地域で会いやすさが激的に変わる
・アプリ版とWEB版で料金や機能が違う
・サクラ・業者・誘導・なりすましの手口が日々変化
・古い口コミやウソ広告がネット上に大量に残っている
「あなたにおすすめのアプリ第1位!」と出ていても、あなたの年齢、居住地、目的、予算、恋愛経験、結婚意思をAIが正確に把握しているわけではありません。北海道の40代婚活男性と、東京の20代恋活女性とでは、選ぶべきサービスはまったく違います。ラーメンランキングで「全国1位」と言われても、醤油派と味噌派で論争が起きるのと同じです。
【4】実際にありがちなAIのやらかし例
ここからは、僕が実際に検索して「うわ、これは違うな」と唸った(そして時々笑った)AI回答の傾向を紹介します。
[1]サクラは一切いません!を真顔で断言
これは経験のある方もいるかもしれません。特定のサービスについて「○○にサクラはいますか?」と聞くと、AIが自信満々に「公式に否定されていますのでサクラは一切いません」などとと回答することがあります。いや、そりゃそうです。サクラを使っている運営会社が「うちはサクラ使ってます」と公式に発表するワケがないんです。
スパイに「あなたはスパイですか?」と聞いて「はい実はスパイなんです」と答える人がいないのと同じ理屈です。AIは「公式サイトにそう書いてある」という事実だけを拾って、それをそのまま提示してしまうのです。これだけを見れば、AIの事実確認レベルは、まだまだ小学生並みです。
[2]サービス名を混同している
悪徳出会い系は「HAPPY」や「Pairs」など、既存サービスと同じ名前を付けたり、「LOVE」や「TALK」など、ありふれた名前を付けてきたりします。また会社名を架空の法人名にしたり、URLを毎日のように変えてきたりすることがあります。そのため、サービス名だけで検索すると、間違った回答をされることがあります。
本来であればドメインを ”” (ダブルクオーテーション)で括って完全一致検索をして、自分が探しているサービスを紹介している記事をしっかりと読むことが大事なのですが、困ったことに、一番上に出てきたAIの要約だけ読んで安心して利用する人が非常に多いのが現状です。
[3]法律をふわっとしか理解していない
この業界には「出会い系サイト規制法」と「電気通信事業の届出」という2つの法律があり、出会い系やマチアプの運営者は管轄の警察署と総務省に、それぞれ届け出なければならないと決まっています。しかしこの2つ、申請すれば誰でも取得できるのです。よって、サクラサイトの特商法にもドヤ顔で番号が書いてあります。
このことをAIは知らないので「○○アプリは合法ですか?」などと検索すると、「○○は出会い系サイト規制法と電気通信事業の双方の届出をしているので合法です」などと珍回答をすることがあります。まあ合法っちゃ合法なんですが、「運営自体が全て合法か?」「実際に会えるのか?」という話とは、まったくの別物なのです。
[4]サービスの見分け方が驚くほど雑
「悪質な出会い系サイトの見分け方」と検索すると、AIは判で押したように「電気通信事業者の届出」「会社概要の記載」「行政処分の有無」など当たり障りのない一般論を返してきます。もちろん間違ってはいないのですが、これは「ウソばかりつく人は信用してはいけません」と言っているのと同じレベルの当たり前情報です。
しかも、前述したように電気通信事業者番号などは、申請すれば誰でも取得できますし、悪徳出会い系は住所もたいていデタラメ。また、たいていは半年ほどでサイトを畳んで丸ごとリニューアルするので行政処分の履歴すらありません。また、最新の手口(ロマンス詐欺やサブスクの自動更新トラップなど)にはまったく踏み込めておらず、非常に浅い語りとなっています。
【5】実際に間違えている例(キャプチャ)

※「既婚者クラブ サクラ」と検索した時

※「アネモネ サクラ」と検索した時
これらは極一部です。言うまでもなく 既婚者クラブ も アネモネ/Anemone も共にサクラ満開なので、これらは完全に誤回答です。
【6】この問題を放置してはいけない理由
「まあAIも完璧じゃないし」で笑って済ませられればいいのですが、この業界に限っては以下のように笑い事では済まないケースがあるというのが怖いところです。
・AIの回答を信じて危険なサイトに登録してしまい、架空請求に遭ったりクレカ情報を盗まれる
・「サクラはいない」というAIの言葉を鵜呑みにして、存在しない相手とのやり取りに膨大な時間とお金を溶かす
・個人情報や顔写真を、安全性の低いサービスに提供してしまう
つまり、AIの誤情報は「ちょっと恥ずかしい思いをする」レベルではなく、お金・個人情報・時間、場合によっては生活や人生そのものに関わってくる問題なんです。恋愛は素敵ですが、AIの適当な相槌に人生の意思決定を任せるのは、さすがに危険すぎます。
【7】じゃあどうすればいいのか?
ここまで散々AIをこき下ろしてきましたが、「じゃあ何を信じればいいの?」という話をしないと不親切ですよね。専門家として、以下のポイントを押さえることを推奨します。
無名な出会いサービスは、ほぼ悪徳!
はい、もう身も蓋もない回答で申し訳ありません(汗) おそらくこの問題をAIに聞いてみたら「公的な情報を確認する」とか「運営会社を詳しく調べる」とか言うと思いますが、実はそんなことをする必要はありません。上記の一言が全てです。
なぜなら、特に女性は「誰もが知っていて安全だと確信できるサービスしか利用しない」からです。「○○アプリは安全ですか?」などとAIに聞いてる時点で、そんな無名なサービスを利用する女性はいないので、利用価値などないとわかります。そういうのは大抵、男性をターゲットにしたサクラビジネスモデルの出会い系です。
具体的には婚活系であればPearsやタップル、恋活系であればワクワクメールやPCMAXを使えということです。それ以外のサービスは、ほぼほぼ利用価値がないと言っても過言ではないでしょう。「新しい出会いのツールに新しい出会いが待ってる」と思っているのは男性だけ。これを肝に銘じていれば、今後も騙されることはないと思います。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!!
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