スマートフォンの出会い系アプリを使う女性

数多ある出会い系やマッチングサービス。
これらのアプリ版というのは、提供する側にも使う側にもメリットは殆どないですよ~というお話です。

【1】アプリと見せかけて実は…

誰も言わないので言いますが、出会い系もマッチングサービスも「アプリ版」と見せかけて実際には殆ど「WEB版」なのです。

「WebView」と呼ばれるアプリ内ブラウザ機能を使って、アプリ内でインターネットに接続し、情報を表示させているのです。
表示させているのは、もちろんWEB版の情報です。

最近では「ハイブリッドアプリ」とも呼ばれていますが、やっている事は「WEB」でできる事をわざわざ「アプリ」にしているだけです。
「ニュースアプリ」なんか、その最たるものです。
アプリである必要は、1ナノメートルもありません。
Instagram Twitter Facebook You Tube なども同様に、アプリである必要性は皆無です。

なぜこのような状況になっているかというと「●●サイト」よりも「●●アプリ」の方が言葉の響きが良く、ユーザーの登録率や課金率が良いからです。
それ以上でも、それ以下でもありません。

【2】未完成すぎるアプリ内ブラウザ

出会い系のアプリに限らず、LINEでもFacebookでもリンクをクリックすると通常使っているブラウザではなく、アプリ内ブラウザが起動するようになっていますよね?
勘のいい方はお気付きかもしれませんが、ユーザーをアプリから離脱させないために、わざわざこのような仕様にしています。

たとえばリンクを Chrome や Safari で開いた場合、ユーザーはそのままネットサーフィンしてしまい、アプリから離脱してしまう可能性が高くなります。
そうならないために、わざわざ自社でブラウザを開発し、それで開いているのです。
しかしこれは、ユーザー側からしてみれば何のメリットもない事です。

アプリ内ブラウザは、ブラウザとしては簡易的なものであるため、たとえば「ブックマークする」などの一般的な操作ができません。
URLが分かりづらくなっていたり、存在しなかったりするため、特定のページを誰かと共有したりといった事も難しくなります。

ユーザーを自社アプリから離脱させないためだけに開発されたのが「アプリ内ブラウザ」なのです。
業者にとってはメリットかもしれませんが、ユーザーにとっては殆ど何のメリットもない無用の長物となっています。

【3】ひたすら重い、電池の減りが早い

アプリは、それ自体を動かすと共に「WebView」のような付随される機能も同時に動かしています。
当然ながら相当なメモリーを消費するので、スマホ自体も重くなりますし、電池の減りも早くなります。

ある婚活アプリなどは、スマートフォンのバッテリーを極端に消耗することで知られています。
僕も試しにインストールした事があるのですが、インストールしたその瞬間からスマホが高温になり、半日足らずで電池がなくなりました(汗)
もしも実際に使ったのなら、待ち合わせ場所に到着する前に電池切れになっていることでしょう(笑)

データ通信量も凄まじかったです。
新しい情報を取得するために、スマホがスリープ状態になった後も、ずっとネット接続しているのですから当然です。
スマホ自体がまだまだ未完成のシロモノなのに、それに更に未完成なアプリを乗っけているワケですから、不具合が起きないハズがありません。

【4】配信サイトに支払う高額な手数料

デベロッパー側(アプリ開発業者)のデメリットも大きいです。
まず、ユーザーがアプリ内で課金すると、どのような課金方法であっても、配信元(Gooale&Apple)に30%もの手数料を支払わなくてはなりません。
100万円の売上があっても、手元に残るのは70万円というワケです。
30%って、恐ろしい割合です。
(Google Play・App Store 共に30%)

当然、そのシワ寄せはユーザーに及びます。
一部の婚活アプリなどは、アプリ版だけ料金を高めに設定しています。
出会い系でも、アプリ版から登録すると本来は貰えるはずの初回サービスポイントが貰えません。
業者側からすると、同じ扱いにしていると割に合わないのでしょう。

しかも、何らかの原因でアプリが Google Play や App Store からリジェクト(配信停止)された場合、この残りの70%すらも没収されてしまいます。
売上の全額を没収されてしまうのです。

しかも、リジェクトの理由は教えてくれない事が多いです。
「ポリシーに違反しているため」というメールが1通届くだけです。
理由も言わずに削除して、売上も全額没収…完全にヤクザです。
(ヤクザって言っちゃったw)

出会い業界じゃないですが、このリジェクトが原因で倒産した会社もあります。
配信元(Gooale&Apple)の一存で、何もかもが一瞬にして消滅してしまうという怖さがアプリにはあります。

【5】本当の恐怖はリジェクト後

アプリのリジェクト(配信停止)は、当日いきなり言い渡されるそうです。
マジで死刑宣告です。
というか、リジェクトされた後にメールで通達されるそうです。
考えただけでも恐ろしいです。

さて、本当に怖いのがここからです。
リジェクトというのは、あくまで「配信停止」であって「削除」ではないので、ユーザー側はそれまで通り使えてしまうのです。

ただ出会い系の場合は、まったく更新などがされず、プッシュ通知なども受け取れなくなるので、ハッキリ言って使い物にならなくなります。
場合によっては、マッチングした相手とのやり取りが出来なくなったり、リジェクト後の新規ユーザーが表示されなくなったりします。

リジェクトの情報はユーザー側には伝わりませんから、ユーザーはいつまでもその「古くて危険で使い物にならないアプリ」を使い続けることになります。
スマホ自体の脆弱性を招く原因にもなりうる、大変危険な行為でもあります。

App Store に関しては、出会い系の場合は大手6社(ワクワクメール、PCMAX、Jメール、イククル、YYC、ハッピーメール)全て配信中ですが、Google Play では、ワクワクメールとJメールがリジェクト後、復活できずに撤退。PCMAXやYYCなども、リジェクト→復活を繰り返したりしています。

【6】高額な開発費&人件費

WEBサイトは全て「HTML」という比較的簡単なコンピューター言語で作られていて、どのブラウザや端末からでもだいたい同じような環境で閲覧する事ができます。
それだけ歴史ある言語だからです。

対してアプリは、Android版、iOS版、PC版と全て別々の言語で作らなければなりません。
これだけでも大変なのですが、その上「HTML」よりも遥かに難しい言語で作る必要があるため、当然ながら人材も限られたものになります。

なので、同じようなサービスをWEB版とアプリ版で作る場合、アプリ版の方が約2~3倍の費用がかかります。
さらに、Android版とiOS版の両方を作るとなれば、雑感ですが最終的には4~6倍の価格差が生じます。

自社の公式アプリを1からオーダーメイドで開発する場合、最低でも数百万円はかかります。
出会い系のようにく、他の多くのデータベースと連携させるアプリとなると、確実に数千万円~数億円単位の費用がかかります。

当たり前ですが、そういったものを負担するのはユーザーです。
「出会い系サイト」ではなく「マッチングアプリ」というコトバが普及したおかげで、全体のユーザー数は増えたものの、料金的には確実に割高になっています。

「サイト」ではなく「アプリ」の方が優秀でオシャレ…。
皆さんがそのように思っているのは、なぜでしょう?
いつ、どこで、何をみてそのように思ったのでしょう?
よーく考えていただきたいと思います。

【7】アプリじゃないとダメなもの

ご覧のように、アプリというのはデベロッパー側にもユーザー側にも、ほぼメリットがありません。
特にユーザー側にはメリットが殆どありません。
もしあなたがメリットを感じているならば、そのように思わされているだけです。

アプリの普及で、プログラマーなどの雇用は促進されているのかもしれませんが、そのシワ寄せは、スマホを取り巻く環境の高騰化という形で、私たちに降り掛かってきています。
(スマホの値段も高いよね~)

「じゃあ、そもそもアプリなんかいらないじゃん」
となると、これはさすがに暴論です。
多くはないですが、アプリでなければ成立しないものは存在します。
たとえば、電卓、カメラ、電話帳、カレンダー、メモ帳などです。
これらは一般に「ネイティブアプリ」とよばれ、だいたい最初からスマートフォンにインストールされています。

話は変わりますが、PayPay(ペイペイ)などのスマホ決済アプリが人気ですね。
お得だし便利だと、みんなこぞってインストールしています。
でも店側は当然ながら、その決済システムの導入費や毎月の手数料を商品価格に上乗せしています。

飲食店の公式アプリをインストールすれば割引を受けられますが、そのアプリの開発費用は、これまたしっかりと料金に上乗せされています。
雑感ですが、プラスマイナスゼロくらいです。
誰も得してないんです。

繰り返しますが、アプリの開発費用はメチャクチャ高いです。
出会い系に限らず、みんなが意味なくアプリをインストールすれば、そのシワ寄せは必ずどこかにきます。
少なくとも、2つの巨大な企業をさらに巨大化させます。

なぜそのアプリをインストールする気になったのか?インストールすると誰が得をするのか、本当にインストールする必要があるのか?
インストール前に、一瞬だけ考えて頂きたいと思います。

ソーシャルボタンから共有していただけると非常に嬉しいです!!

≫正確な出会い系ランキングへ
(当サイト限定特典アリ)
記事執筆者:鬼島慶介